1932年フランス、モンペリエ生まれ。
1960年オランジェにて初個展。これ以後、フランス各地で個展を開催。1978年から80年、パリのアヴェニュー・マティニョンにあるギャラリー・オプ シディエンヌの専属作家を務める。1990年 初来日。東京芸術劇場にて個展。1994年東京三越にて個展。共に好評を博す。 1998年 東ソ-、ト-メンの1999年カレンダ-に選定される。仏大統領のジャック・シラクは彼をこのように評している。「彼の出身である〈地方〉の 魅力も残しつつ、パリの芸術家たちに接することで異なるインスピレーションを得、彼独特のテクニックと表現を身につけて完成させた彼の作品は神秘的で哀愁 に満ちた“内なる光の告白”ともいうべきものであり、情熱的で荘厳さに満ちた“成熟の赤”という色を祝福しているようにも思われる。」
多 くのアーティストがそうであるように、子供のころから独学で、夢中に、がむしゃらに、そして喜びを持って常に絵を描いてきたロジェ・ボナフェ。パリ・モン マルトルでの友人、画家たちとの交流は彼の内なる情熱と才能を育み人生を大きく変えた。芸術的天性に恵まれた彼は独自の技法を修得し、才能を開花させた。 その後パリを離れフランス国内の様々な土地を創作旅行し独創的気質をさらに深め、再び生まれ故郷であるエローの地を踏んだ。その作品は、当初白や灰茶色を 好んで用いたが、現在の作風の基調をなす『赤』の色調が加わってから力強さを増した。また独自の『紫』と『茶』、そして『黒』は衝撃的コントラストをつく り、感動的なものとなっている。またそのモチーフは、風景、静物、人物にわたっている。風景画では大胆な単略化が行われ、そこに豊かな色合いが加わること により、力強さを生み出している。そして静物画の中では遠近感は縮められ、まるで望遠レンズで覗いたかのような印象を与える。そこに構成された物々は互い に関系を持ち、美しくシンブルな輪郭でその形を保っている。
ボナフェの大胆な構図と独特の色彩で描かれたその画風は、どこから見てもボナ フェのものだとすぐにわかる。ベースに赤を必ず 用い、ほとんどの作品に様々な“赤”が登場する。それは前フランス大統領ジャック・シラク氏に“成熟の赤”と言わしめた。近年ではジュネーブの国連本部で 展示会が催されるなど、世界各国で高い評価を得ている。
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